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2025.06.11
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車に頻繁に乗る人にとって交通事故は身近な問題です。自分自身は正しく交通ルールを守っていても「車が突然ぶつかってきた」「追突された」などのトラブルは後を絶ちません。中には『当て逃げ』と呼ばれる、加害者が事故を起こした後に現場を立ち去る事例も多くみられるため、事故に対する対処法・対策を理解しておくことはドライバーにとって重要です。本記事では当て逃げに着目し、当て逃げ時の慰謝料・賠償の有無や『むちうち』の症状が出た場合の手続きについて解説します。

当て逃げとは、交通事故を起こした加害者が警察への報告や被害者の救護を行わずに現場を立ち去る行為を指します。道路交通法では、事故を起こした運転者には「事故報告義務」と「救護義務」が課せられているため、当て逃げはこれらの義務を果たさない違法行為とされます。一般的な交通事故のように、事故発生後に当事者同士で状況を確認し、けがをした人がいれば救急車を呼んだり警察に通報して事故処理を行ったりすることがない点で、当て逃げは区別されます。
当て逃げとひき逃げは、どちらも加害者が現場から逃走する点では共通していますが、法律上の扱いが大きく異なります。
当て逃げは、物損事故を起こして逃走した場合を指します。建造物や車両などの物を損壊したにもかかわらず、報告義務を怠って現場を離れる行為です。道路交通法違反として、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。
一方、ひき逃げは人身事故を起こして逃走した場合を指し、救護義務違反として非常に重い罪に問われます。10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられ、さらに危険運転致死傷罪などが適用されれば、より重い刑罰となります。さらに注意すべきは、事故直後は物損事故と思われていても、後からむちうちなどの症状が出た場合は、人身事故として扱われる点です。当初は当て逃げでも、被害者に怪我が判明すればひき逃げとして捜査されることになります。
起こした事故の内容で区別されるってことだホ!

結論から言えば、当て逃げに遭った場合でも慰謝料や治療費を受け取る方法はあります。ただし、加害者が特定できるかどうかで、利用できる補償制度が異なります。
警察庁の統計によると、当て逃げの検挙率は年々向上しているものの、依然として低い水準にとどまっています。物損事故の場合、捜査の優先順位が低くなりがちで、加害者の特定が難しいケースが多いのが現状です。ただし、以下のような証拠がある場合は、加害者が見つかる可能性が高まります。
特にドライブレコーダーは決定的な証拠となるため、事故に備えて設置しておくことをおすすめします。一方、人身事故(ひき逃げ)の場合は、捜査が積極的に行われるため、検挙率は当て逃げよりも高くなります。そのため、むちうちなどの症状が出た場合は、速やかに人身事故への切り替え手続きを行うことが重要です。
加害者が特定された場合、被害者は以下の項目について損害賠償を請求できることが一般的です。
入通院慰謝料(傷害慰謝料):怪我をしたことや治療を受けることによる精神的苦痛に対する補償
後遺障害慰謝料:後遺症が残った場合の慰謝料
事故による怪我で仕事を休まざるを得なかった場合、収入の減少分を請求できます。会社員だけでなく、自営業者や主婦(主夫)も対象となります。
後遺障害が残り、労働能力が低下したことによる将来的な収入減少分を請求できます。
車両の修理費や買い替え費用、代車費用なども請求可能です。加害者が不明な場合でも、「政府保障事業」や自身の保険に加入している「人身傷害補償保険」を利用することで、ある程度の補償を受けることができます。政府保障事業は、ひき逃げや無保険車による事故の被害者を救済する制度で、自賠責保険と同等の補償が受けられます。

当て逃げに遭った際、動揺してパニックになってしまうかもしれませんが、事故後の対応がその先の手続きのスムーズさやどれくらいの慰謝料をもらえるかに関わります。事故後は冷静に以下の対応を心がけましょう。
落ち着いて対応しよう!

交通事故後にむちうちの症状が現れた場合は、速やかに適切な対応を取る必要があります。むちうちは、事故の衝撃で首が前後に大きく振られることで発症する怪我で、正式には「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」と呼ばれます。主な症状には、首や肩の痛み、頭痛、めまい、手のしびれ、吐き気、倦怠感などがあります。これらの症状は事故直後ではなく、数時間から数日後に現れることが特徴です。事故時の興奮状態やショックで痛みを感じにくく、時間が経ってから症状が顕在化することが多いので、事故後に少しでも異変を感じたら以下の流れに沿って対応を進めましょう。
むちうちの症状が出たら、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。遅くとも事故から2週間以内の受診が推奨されます。受診が遅れると事故との因果関係が疑われ、慰謝料請求が困難になる可能性があるため注意が必要です。
診察時はすべての症状と交通事故に遭った旨を医師に正確に伝え、交通事故が原因だと思うとハッキリ説明することがポイントです。その後、医師に診断書を作成してもらい、「頸椎捻挫」などの病名と事故との因果関係について記載してもらいましょう。
さらに、診断書をもらったあとの行動も重要です。治療は医師の指示に従い、継続的に通院することがポイントになります。一般的には週に2〜3回程度の通院が望ましいとされており、通院頻度が低すぎると「症状が軽微」と判断されてしまい、慰謝料の減額につながる場合があります。また、整骨院や接骨院での施術を希望する場合は、必ず医師の許可を得てから通院しましょう。医師の同意なく整骨院のみに通院していると、治療費が認められないケースもあります。
「 ”事故による” 怪我 」という証明をもらう必要があるホ!
当初物損事故として処理された場合でも、むちうちの症状が出たら速やかに人身事故への切り替え手続きを行いましょう。手続きの流れは以下の通りです。
人身事故に切り替えることで、加害者の捜査がより積極的に行われるようになります。また、自賠責保険から治療費や慰謝料を受け取るためには、人身事故としての記録が求められることが一般的です。ただし、事故から時間が経ちすぎている場合は、人身事故への切り替えが認められない場合もあるため、症状が出たらできるだけ早く手続きを進めることが重要です。
なお、切り替えが難しい場合でも、「人身事故証明書入手不能理由書」を提出することで、保険金請求が可能になるケースもあります。詳しくは保険会社や弁護士に相談しましょう。
人身事故への切り替え手続きが完了したら、保険会社にも連絡を入れましょう。加害者が特定されている場合は、相手方の保険会社が治療費を負担してくれます。治療費の支払い方法について確認し、必要に応じて「治療費の一括対応」を依頼しましょう。これにより、医療機関への支払いを保険会社が直接行ってくれるため、被害者の負担が軽減されます。
加害者不明の場合は、ご自身の保険会社に人身傷害補償保険の利用について相談してください。この保険に加入していれば、自身の過失割合に関わらず、治療費や慰謝料などの補償を受けられます。
また、政府保障事業への請求も検討しましょう。国が補償を行う制度で、自賠責保険と同等の補償が受けられる点が特徴の制度です。請求期限は事故発生日から3年以内なので、早めに手続きを進めることが大切です。

治療が終了すると、保険会社から示談金の提示があります。しかし、保険会社が提示する金額は、法的に認められる適正額よりも低いケースが多いのが現実です。実は慰謝料を計算する際の基準は3つあります。
保険会社は通常、自賠責基準や任意保険基準で提示してきますが、弁護士に依頼することで弁護士基準での請求が可能になり、慰謝料額が大幅に増額することがあります。場合によっては、2倍以上になることも珍しくありません。
「弁護士に依頼するのも手間だし…」や「弁護士に依頼するほどでもないんじゃ…」と思う方もいるかもしれませんが、交通事故の専門知識がない状態で保険会社と交渉するのは圧倒的に不利です。保険会社の担当者は交渉のプロフェッショナルであり、被害者に不利な条件で示談を成立させようとすることもあります。そのほかにも弁護士に依頼するメリットはいくつか挙げられます。
多くの法律事務所では、交通事故案件について初回相談を無料で行っています。また、弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用を保険でカバーできるため、費用負担を気にせず依頼できます。むちうちの症状がある場合、適切な補償を受けるためにも、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

当て逃げに遭い、むちうちの症状が出た場合でも、適切な手続きを踏めば慰謝料や治療費を受け取ることは可能です。加害者が特定できない場合でも、政府保障事業や人身傷害補償保険などの制度を利用できます。
最も重要なのは、事故直後に警察へ通報し、早期に医療機関を受診することです。症状が軽いと感じても、後から悪化する可能性があるため、すぐには痛みが出ていなくても必ず診察を受けましょう。また、物損事故として処理された場合でも、症状が出たら速やかに人身事故への切り替え手続きを行ってもらうようにしましょう。
当て逃げ被害に遭った場合も一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら、適切な治療と補償を受け取りましょう。
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1.北奥法律事務所 / 小保内 義和 弁護士(岩手県)
2.大分みんなの法律事務所 / 倉橋 芳英 弁護士(大分県)
3.三枝総合法律事務所 / 三枝 康裕 弁護士(千葉県)
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