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2025.06.11
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※この記事は、あさがお法律事務所 岡田 晃朝 弁護士が監修しています。

ローンの支払いの見通しが立たず、「このまま放っておいたらどうなるんだろう」「差し押さえや競売になったら自宅はどうなるの?」「他の借り入れにも影響が出るのでは…」と、不安に感じている方に向け、本記事では住宅ローンを滞納したときの一般的な流れと、差し押さえを回避するための具体的な対応方法を、できるだけやさしく順番に解説していきます。

ローンの返済が難しくなった場合、実際には滞納が始まってすぐに差し押さえや競売が行われるわけではなく、数ヶ月単位で段階的に進行するのが一般的です。ここでは、滞納初期から最終的な競売に至るまでのプロセスを順を追って解説します。
毎月の住宅ローンが1〜3ヶ月滞納すると、金融機関から「返済が確認できていません」という督促状が届いたり、電話で連絡がきたりします。この段階では“返済が遅れている”というだけであり、すぐに自宅が差し押さえられるわけではありません。遅延している返済分を速やかに支払えば問題はありませんが、遅延に伴う利息が発生している点には注意が必要です。
また、この段階でも返済状況によっては信用情報に遅延が登録され、将来の借り入れや審査に影響が出る可能性があります。滞納初期であれば返済方法の見直しや相談がしやすいため、返済できないからと放置する前に、金融機関へ事情を説明することが最も重要な対応となります。
早めに相談するのがおすすめだホ!
滞納が3〜6ヶ月に及ぶと、金融機関は「期限の利益を喪失します」という通知を送る場合があります。これは契約に基づく正当な手続きで、ローン残高を一括返済するよう求められる可能性が高くなっている状況です。当然ながら、高額の返済額をすぐに用意できる人はほとんどいないため、事実上は「このまま返済ができない場合は自宅の売却や競売を検討してください」という意味になります。返済が長期間滞納されると、金融機関が保証会社へ代位弁済を依頼し、以降は保証会社から返済の請求が届く流れに移ります。
滞納が半年以上続くと、金融機関(または保証会社)は裁判所に競売を申し立てます。競売の申し立てが受理されると、裁判所による物件調査が行われ、自宅に差し押さえの登記が入ります。競売はローンを回収するための最終的な手続きであり、売却価格も市場価格より安くなることが多いため、ローンが残るリスクもあります。競売の申し立てが受理されてすぐに自宅を失うというわけではありませんが、申し立てが受理された時点で、すでに債務者が選べる選択肢が限られてしまうため、できるだけ早い段階で『任意売却』などの対応を検討することも重要です。

住宅ローンの滞納の原因は「収入状況の変化」という現実的な理由がほとんどです。ここでは、返済が難しくなる典型的なケースと、支払いが無理かもしれないと感じたタイミングで必要な行動を解説します。
返済困難の主な理由は、突然の収入減や失業、病気など、生活を大きく変える出来事です。毎月の返済額は契約時に設定されているため、急な収入減があると支出とのバランスが崩れ、返済が滞納する可能性が高まります。
支払いが難しいと感じたら、金融機関へ早めに連絡しましょう。金融機関側も、自社の損失を軽減するために出来る限りお金を返済してもらいたいと考えているため、状況に応じた返済条件の見直しを提案してくれることもあります。「支払えない」ではなく「支払いが難しくなった状況」を伝えることで、無理のない方法を一緒に検討することができます。対応を先延ばしにしてしまうほど条件が悪化してしまうため、早期の相談は最も大切な行動です。
言いづらいかもしれないけど、勇気を出して連絡してみるのがいいホ!

滞納前であれば、選択できる方法が非常に多く、差し押さえを回避できる可能性も大きく高まります。ここでは、一般的に取られる4つの方法を解説します。
家計の支出を見直し、必要な出費と削ることができる出費を整理することで、返済に充てる資金を確保できる可能性があります。ローン返済は優先順位が高いため、状況を把握したうえで早期に行動することが重要です。生活全体を見直す良い機会にもなるでしょう。
返済条件の見直しでは、返済期間の延長や金利の調整などが可能です。毎月の返済額を無理なく減らす方法として一般的で、家計の支出負担を抑えられます。まずは金融機関へ状況を説明し、利用できる条件を相談してみましょう。
収入が一時的に減った場合は、返済猶予を金融機関へ依頼する方法があります。利息は発生しますが、一定期間、返済額を抑えられるため、生活が落ち着くまでのお金を確保できます。状況が悪化する前に早めに相談することが重要です。
機構融資の場合、「返済特例制度」など返済期間の延長や金利の軽減が可能な支援制度があります。金融機関を通じて手続きが行われるため、状況を説明すれば利用できる制度を教えてもらえます。返済が難しいと感じた時の有効な対応策のひとつです。
返済の状況を家族に共有せず一人で抱えこんでしまうと対応が遅れ、問題が深刻化しやすくなります。勇気を出して支出の整理や将来の計画を改めて家族と一緒に検討することで、現実的な対応が見えてくるでしょう。
周囲に相談することで見えてくる解決策もあるホ!

住宅ローンの滞納が始まってしまった場合でも、すぐに競売や差し押さえが確定するわけではありません。実は、金融機関と調整することで、競売よりも条件の良い形で自宅を売却できる方法があります。それが「任意売却」です。ここでは、任意売却の仕組みや競売との違い、選択する際の判断ポイントを順を追って解説します。
任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなった場合に、金融機関の同意を得て自宅を売却する方法です。競売と違い、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高く、結果としてローンの残債を減らしやすい点が特徴です。また、競売は裁判所主導で強制的に手続きが進みますが、任意売却では売却時期や引っ越しのタイミングを調整できる場合があります。精神的・生活面の負担を抑えながら進められる点が大きな違いです。
任意売却のメリットは、競売より高い価格で自宅を売却できる可能性があり、最終的に残る返済額を抑えられる点です。また、周囲に事情を知られにくく、引っ越し準備の時間を確保しやすい点も挙げられます。その他、時と場合によりますが、交渉することである程度の破産費用や引っ越し費用が残せる場合もあります。
一方で、デメリットとして金融機関の同意が必要であること、手続きを進めるには専門業者との連携が不可欠であることが挙げられます。条件やタイミングを誤ると選択できなくなるため注意が必要です。
メリット・デメリットを比較してから判断しよう!
任意売却は以下に該当する方に向いている制度です。
返済状況や収入の見通しを踏まえ、最終的に無理のない再スタートを重視する場合、検討する価値の高い選択肢といえるでしょう。
任意売却が気になる人は、まずは弁護士に相談してみるといいホ!

ローンが払えない状況では、住宅ローンだけでなく自動車ローンへの影響も気になるところ。自動車ローンは住宅ローンとは仕組みが異なり、滞納時の対応やリスクも大きく変わります。ここでは、自動車の所有権の考え方と、住宅ローンとの優先度の違いについて整理します。
自動車ローンでは、契約内容によっては所有権がローン会社に残っているケースが多くあります。この場合、返済を滞納すると契約に基づき車が引き上げられる可能性があります。住宅ローンの差し押さえとは異なり、比較的早い段階で対応が取られる点が自動車ローンの特徴です。自動車ローンの支払いが難しくなった場合は、契約書を確認しどのような対応がとられるのか確認したうえで、早めの対応を検討することが重要です。
住宅ローンは生活の基盤となる自宅に直結するため、一般的に返済の優先度が高いと考えられます。一方、自動車ローンは生活への影響はあるものの、状況によっては見直しや手放す判断も検討したほうがよいでしょう。両方の返済が難しい場合は、影響の大きさを踏まえて専門家に相談し、対応を一緒に考えることが賢明です。

ローンを払えない状況では、自己判断で動くほど選択肢を狭めてしまう可能性があります。競売や差し押さえを回避するためには、金融機関や専門家へ早めに相談し、正しい対応を取ることが重要です。ここでは、相談先ごとのポイントと注意点を整理します。
金融機関へ相談する際は、現在の返済状況や収入の見通しを正確に伝えることが重要です。詳細を伝えることで、返済条件の見直しや利息の調整、期間の延長などを具体的に提案してもらえる可能性が高まります。そのため、相談に行く前に家計の収支や借り入れ状況を整理すると、話し合いがスムーズに進みやすくなるでしょう。
返済が長期的に難しく、任意売却や自己破産を検討する段階になった場合は、法テラスや弁護士などの専門家に相談することも有効です。手続きの流れや最終的な影響を法的な観点で整理してもらえるため、自分の状況に合った現実的な対応方法を選択しやすくなるでしょう。

ローンが払えない状況に直面しても、早い段階で対応すれば競売や差し押さえを回避できる可能性は十分にあります。返済条件の変更や支払い猶予、任意売却など、状況に応じた選択肢を正しく理解することが重要です。一人で抱え込まず、金融機関や専門家へ相談しながら現実的な対応を取ることが、自宅と生活を守るための第一歩になります。
1.大井総合法律事務所 / 中野頼房 弁護士(東京都品川区)
2.佐々木法律事務所 / 佐々木 修 弁護士(埼玉県川越市)
3.武雄法律事務所 / 大和 幸四郎 弁護士(佐賀県武雄市)
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