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2025.06.11
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毎月の給料日、口座から引き落とされる奨学金の返済額を見て、胸が苦しくなる…。
「今月も払えたけど、来月は大丈夫だろうか」
「もし、このまま返せなくなったら、一体どうなってしまうんだろう…」
そんな不安を抱えているのは、決してあなただけではありません。
今や大学生の約半数が利用する奨学金は、多くの人にとって学びの機会を支える重要な制度です。しかしその一方で、卒業後の返済に苦しむ人が増えているのも事実。これは、個人の問題だけでなく、社会全体が向き合うべき課題となっています。
この記事では、奨学金の返済が困難になったときに何が起こるのか、そして最悪の事態を避けるために今すぐ何をすべきかを、具体的な体験談も交えながら徹底的に解説します。
もう一人で悩むのはやめましょう。この記事を読めば、あなたが次に取るべき行動が明確になり、解決への一歩を踏み出す勇気が湧いてくるはずです。

奨学金の返済を滞納すると、事態は時間とともに段階的に深刻化していきます。ドラマや映画の話ではなく、現実に起こりうることです。まずは、この流れを正確に理解し、「放置することが最も危険」だということを理解しましょう。
返済を1日でも延滞した瞬間から「延滞金」が加算され始めます。これは、返済が遅れたことに対するペナルティです。
日本学生支援機構(JASSO)の場合、延滞している割賦金(利息を除く)の額に対し、年率1.5%~10%(契約時期や奨学金の種類による)の割合で発生します。わずかな金額に思えるかもしれませんが、滞納が続けば確実にあなたの負担は増えていきます。
延滞から1ヶ月ほど経つと、JASSOや、JASSOから委託された債権回収会社から電話や文書(ハガキ)による督促が始まります。ここで連絡を無視し続けると、事態は次のステップへと進んでしまいます。
電話やハガキの連絡にはちゃんと答えよう!
滞納から3ヶ月以上。これが、あなたの社会的な信用を大きく左右する分岐点です。この段階で、あなたの個人信用情報に「延滞」という事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」状態です。一度登録されると、奨学金を完済してから約5年間は事故情報が消えない点に注意が必要です。
また、事故情報が登録されている間は、あなたの生活には以下のような深刻な影響が出ることがあります。
将来のライフプランに、大きな支障をきたすことは間違いありません。
あなたが奨学金を借りる際、「人的保証」を選んでいれば、親や親族が連帯保証人・保証人になっているはずです。滞納が続くと、JASSOは本人からの回収は困難と判断し、連帯保証人・保証人に対して、残額の一括返済を請求します。
「親にだけは絶対に迷惑をかけたくない」――そう思っていても、あなたが行動を起こさなければ、その思いとは裏腹に、最も避けたい形で大切な家族を巻き込むことになります。数百万にのぼる一括請求は、保証人の生活をも破綻させかねない非常に重い事態です。
保証人からも返済が得られない場合、JASSOは裁判所に申し立てを行い、法的な手続きへと移行します。手続きは以下のように、段階を踏んで徐々に措置の強度が高まるのが一般的です。
ここまで来てしまうと、平穏な日常生活を取り戻すのは極めて困難になります。
事故情報の登録や親への連絡など、放置するほど事態はどんどん深刻になるホ…

もし、奨学金を返せない方の中に「奨学金を返せないなんて、自分の努力が足りないからだ」「自己責任だ」と自分を責めている方はいませんか?返済困難に陥る理由は、決して個人の「甘え」だけではありません。
奨学金の返済が困難になる最大の理由は「本人の低所得」です。 頑張って就職しても、不安定な非正規雇用であったり、想像以上に初任給が低かったりして、家賃や生活費を支払うと返済額を捻出できないというケースは少なくありません。
NPO法人が実施した調査では、奨学金を返せなくなった理由として「病気やケガで働けなくなった」「会社の倒産やリストラで失業した」という声も多く報告されています。 自分ではどうすることもできない不測の事態による返還困難は、誰の身にも起こりうるのです。
万が一のリスクは誰にでも考えられるんだホ
「本当はもっと良い条件の会社に転職したいけれど、奨学金の返済があるから、どんなに辛くても今の仕事を辞められない」
奨学金の返済義務が足かせとなり、過酷な労働環境から抜け出せずに心身をすり減らしている若者もいます。これは、もはや個人の努力で解決できる範囲を超えた、社会構造の問題と言えるでしょう。

もしあなたが今、返済に少しでも不安を感じているなら、滞納する前に、これから紹介する公的な救済制度の利用を検討してください。JASSOは、返済が困難な人のためにセーフティネットを用意しています。
奨学金の返済が難しいと分かった時点ですぐやるべきことは、日本学生支援機構(JASSO)の相談窓口に電話をすることです。「怒られるんじゃないか…」「正当な理由じゃないと認められないんじゃないか…」など不安や怖さを感じるかもしれませんが、この一本の電話が、あなたの未来を救うかもしれません。
電話をしたら、「奨学金の返済が経済的に厳しいので、利用できる制度がないか相談したい」と正直に伝えましょう。現在の収入状況や困っている事情を説明すれば、オペレーターがあなたに合った制度を案内してくれます。
《JASSO奨学金相談センター》
電話番号:0570-666-301
勇気を出して電話してみよう!
「減額返還制度」は、災害、傷病、経済困難などの理由で返済が難しい場合に、毎月の返済額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2に減額できる制度です。
《 減額返還制度のポイント 》
「返還期限猶予制度」は、減額しても返済が困難な場合に、一定期間、返済そのものを停止(猶予)してもらえる制度です。
《 返還期限猶予制度のポイント 》
メリット・デメリットを比較して自分に合った制度を選択しよう

公的な救済制度の利用が難しい場合や、奨学金以外にもカードローンなどの借金がある場合は、法的な手続きである「債務整理」が解決の選択肢となります。
債務整理は、法律の専門知識が必要な複雑な手続きです。まずは、借金問題に強い弁護士や司法書士の無料相談を利用し、専門家の視点からアドバイスをもらうことを強くお勧めします。
債務整理には主に3つの方法があります。あなたの状況によって最適な方法は異なります。
裁判所を通さず、債権者(貸主)と直接交渉し、将来の利息のカットや分割払いを求める制度。
メリット:手続きが比較的簡単、借金が複数ある場合は任意整理する借金を選択できる
デメリット:元金は減らないため、返済は続く
裁判所に申し立て、借金を大幅に減額(5分の1~10分の1程度)させ、3~5年での分割返済を認めてもらう制度。
メリット:自宅などの財産を残せる可能性がある
デメリット:手続きが複雑で費用がかかる。減額した分の請求は保証人に向けられる。
裁判所に支払不能を認めてもらい、原則としてすべての借金の返済義務を免除してもらう制度。
メリット:すべての借金の返済義務がなくなる
デメリット:財産の多くを失う。保証人に一括請求が向けられる。
自分の状況、ペナルティを踏まえて選択しよう
債務整理を検討する場合、奨学金特有の注意点があります。
・任意整理の効果は薄い
債務整理の手続きの一つである「任意整理」は、将来の利息をカットすることができる制度ですが、奨学金は元々利率が非常に低いため、減額の効果はほとんどありません。
・自己破産を選択すると、保証人宛に一括請求される
債務整理の手続きの一つである「自己破産」を選択すると、本人の返済義務は免除されますが、代わりにその請求はすべて保証人・連帯保証人に届けられます。 手続きを進める前に、必ず保証人と相談しましょう。

奨学金が返せなくなり追い詰められた時、人は誤った判断をしがちです。特に以下の行動は、あなたの状況をさらに悪化させるだけなので、絶対に避けましょう。
1.督促の無視・放置
これまで見てきた通り、放置すれば事態は確実に深刻化し、最終的には差し押さえに至ります。
2.返済のための新たな借金(カードローン・キャッシング)
奨学金より利率の高いカードローン等で借りて返済するのは、自転車操業の始まりです。利息が膨らみ、多重債務に陥る典型的なパターンです。
3.「踏み倒せるかも」という安易な期待
奨学金にも時効はありますが、JASSOからの請求などがあると時効は中断(更新)され、成立は極めて困難です。 また、保証人がいる以上、踏み倒しは現実的ではありません。
奨学金の返済が遅れていてもちゃんと向き合うのが一番だホ!

この記事で見てきたように、奨学金を返せないまま放置すると、あなたの信用、財産、そして大切な人間関係にまで、取り返しのつかない影響が及ぶ可能性があります。しかし、もう一度お伝えします。返済に苦しんでいるのは、あなた一人ではありません。 そして、解決の道は必ずあります。
最後に、あなたが今すぐ取るべき行動を、もう一度確認しましょう。
1.【放置は絶対にしない】 怖い気持ちを乗り越え、問題と向き合う覚悟を決める。
2.【まずJASSOに電話】 滞納する前に、もしくは滞納してすぐの段階で、JASSOの相談窓口に電話し、「減額返還」や「返還猶予」が使えないか相談する。
3.【専門家を頼る】 救済制度が使えない場合や、他に借金がある場合は、弁護士や司法書士の無料相談を利用する。
あなたの未来は、今日のあなたの一歩にかかっています。一人で抱え込まず、適切な場所に相談してください。そうすれば、必ず返済のプレッシャーから解放され、前を向いて歩き出す日が来ます。
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