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2024.12.25
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【 目次 】
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「去年使った日焼け止め、再び使っても大丈夫?」と思ったことはありませんか?
薬局でもらう塗り薬にも使用期限があり「昔のものは使わないで!」と注意されたことがある方もいらっしゃるかと思います。今回は、去年の日焼け止めを使う前に知っておきたいポイントをまとめました。
「去年の夏に使った日焼け止め、今年も使える?」
「捨てるべき?」
そんな疑問や不安について、失敗談を交えて紹介します。
薬剤師として、患者さんから「古い日焼け止めってどうすればいい?」と質問されることがあります。私は1年以上経過しているものは捨てて、新しいものを購入することをオススメしています。未使用であっても違和感がある場合は使用せずに新しいものを使用しましょう。
実際に古い日焼け止めを使用した失敗談を薬局で耳にすることがあります。ここでは、その失敗談をご紹介します。いずれも「いつ使用したか分からない」日焼け止めを使用した際のご相談の一部です。
・日焼け止めを使っても、真っ赤に日焼けしてしまった
・日焼け止めを使用する期間だけ、肌荒れが悪化する
・臭かったし、日焼けしてしまった
さまざまな失敗談があります。匂いや外見に変化がある場合には使用を避ける方がほとんどですが、気が付かずに使用してしまうケースもあるようです。こういった話から「自分も気をつけないと!」と思っていただければ幸いです。
肌に直接塗るものだからこそ、扱いは慎重に!
日焼け止めの期限が気になるのは、肌の健康と美しさが紫外線対策にかかっているからです。紫外線はシミやシワ、たるみの原因となり、肌の老化に直結します。古い日焼け止めは効果が落ちるだけでなく、肌トラブルを引き起こすリスクもあります。安全に紫外線対策をするためにも、期限をしっかり確認することが大切です。
日焼け止めを使用している方に質問です。
「今使用している日焼け止めの期限はいつまでですか?」
「そもそも日焼け止めの期限がどこに書いてあるか知っていますか?」
ここでは、日焼け止めの使用期限の記載場所、使用期限を判断する際のポイントについて紹介します。
日焼け止めの使用期限は、未開封で製造から約3年、開封後は1年以内が基本とされています。パッケージに「PAOマーク」(例:12M=開封後12ヶ月)や「EXP」(開封後の使用期限)、「MFG」(製造された日付)が書かれている場合、そちらを目安としてください。
しかし、記載があってもなくても、なるべく購入から1年以内に使い切るようにしましょう。開封後は空気や細菌に触れるため、1年を超えると品質が落ちるリスクが高まります。
みなさんはどのような環境で日焼け止めを保管していますか?実は、保管状況が日焼け止めの品質に大きく影響しています。特に、下記のような高温多湿下で保管するのは避けましょう。
・車内に置きっぱなし
・浴室内
・日光の当たる窓際
高温多湿の場所(夏の車内、浴室、直射日光が当たる窓際など)に置くと、成分が劣化しやすくなるため、日焼け止めの保管場所として適切ではありません。
一般的に日焼け止めは15〜25℃での比較的涼しい場所での保管が推奨されており、この温度下であれば品質を保ちやすくなります。ただし、冷蔵庫の中など、冷やしすぎてしまうと、かえって成分が分離する可能性があるので注意しましょう。15〜25℃で直射日光が当たらない場所が、日焼け止めの保管場所として適切です。
保管場所にも気をつけるんだホ!
「この日焼け止めいつ買ったっけ…?」といつ購入した日焼け止めか思い出せないときもありますよね。そんなときは下記の「見た目」「臭い」「感触の変化」がないかチェックしてみてください。
・見た目:変色(黄色っぽく)や分離(油分と水分が分離)が見られる
・臭い:酸っぱい匂いや明らかな異臭など、最初に使用した時より明らかに異なる匂いがする
・感触:ドロドロ、水っぽい、ザラつくなどテクスチャーの変化を感じる
上記のような明らかに以前とは異なるサインがあれば、残念ながらその日焼け止めの使用は避け、新しいものを使用しましょう。効果が期待できないだけでなく、肌トラブルの原因になることもあります。
手元に古い日焼け止めしかないからといって、安易に使用することは避けましょう。ご存知かと思いますが、今ではコンビニでも日焼け止めが手に入ります。良かれと思って古い日焼け止めを使っても、かえって肌に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、古い日焼け止めを使用するリスクについて紹介します。
劣化し品質が正常に保たれていない日焼け止めは、「SPF」や「PA値」が低下し、期待される効果が得られない可能性があります。たとえば、SPF50+と書かれていても、成分が変質すれば、しっかり塗っていても日焼けやシミ、シワから肌を守ることができない可能性があります。
使用した日焼け止めを1年放置していると細菌やカビが繁殖する可能性も十分にあります。皮膚に存在しているさまざまな菌が繰り返し使用することで、容器の中や入り口に付着します。特に、スティックタイプなどの直接皮膚につけて使用している方は注意が必要です。古い日焼け止めを使用することで、紫外線によるダメージや雑菌などにより炎症やニキビに繋がることもあります。
細菌やカビで肌トラブルが起こることも…
効果のない日焼け止めを使い続けることはやめましょう。紫外線によりダメージを受けた肌をケアするには、美容液や皮膚科治療でさらにコストがかかります。たとえば、シミ治療は1回数千円~数万円の費用が掛かってしまいます。残っている古い日焼け止めを使用するよりも、新しい日焼け止めを毎年購入して使い切る方が安上がりです。
古い日焼け止めを卒業し、新しい日焼け止めを使用することは、紫外線をブロックすること以外にもメリットがあります。肌の健康と美しさを守る新しい日焼け止めのポイントを紹介します。
新しい日焼け止めなら、古く劣化している可能性のある古い日焼け止めよりも、SPF・PA値の効果が期待されることはお分かりいただけるかと思います。
そもそもSPFとは「Sun Protection Factor」の略でUV-Bに対する防御効果を示す値です。「1から50+」の値で記載されます。数値が大きいほど効果が高くなっています。
続いてPA値は「Protection Grade of UVA」の略でUV-Aに対する防御効果を示す値です。「PA+から++++」の4段階で記載されます。+が多くなるにつれて効果が高くなることを表します。
以上のようにSPF・PA値がいずれも大きいものを選択することで、紫外線から守ってくれることに繋がります。
古い日焼け止めは前述した通り、雑菌の繁殖や成分の劣化、変化の可能性があります。必ずしも肌に悪影響が出るとは限りませんが、注意が必要です。
また、日焼け止めとしての効果も低下する可能性があるので、新しい日焼け止めを準備することをオススメします。加えて、肌に優しい新しい製品も増えてきています。特に注目して検討してほしいのが次の3点です。
・ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)
・保湿成分含有
・石けん・お湯オフ対応
日焼け止めを使用して肌荒れ、乾燥が気になる方はチェックしてみてください。
毎日つけるなら肌にやさしいものが嬉しいホ!
日焼け止めについて薬局でよくある相談をご紹介します。期限や選び方などについてお答えします。
「開封後1年ちょっと過ぎたけど…」という場合、品質に問題がなければ使えることもあります。ただし、保管状態や見た目・匂いをチェックしてからにしましょう。少しでも異常があれば、使うのはやめてください。直接肌に塗るものなので、安全を最優先に考えましょう。
「安い日焼け止めは効果が弱いの?」と質問をいただくことがありますが、そんなことはありません。パッケージに記載されているSPF・PA値の日焼け止め効果は期待できます。たとえば、安い製品でも、SPF50+/PA++++のものは十分な効果が期待できます。
では、なぜ安いのかについてですが、スキンケア効果や美肌効果、使用感といった日焼け止め以外の部分で違いが出てくるためです。一度使用してみて、肌の異常や使用感に問題なければ安い日焼け止めでも大丈夫です。
オススメの日焼け止めの選び方と使い方を紹介します。夏本番を迎える前にチェックして実践してみてください。
日焼け止めは用途や肌タイプで選ぶのがポイントです。 SPF1で約20分効果があるとされています。PA値はPA+で「効果あり」PA++++で「効果がきわめて高い」となっています。その点を踏まえて、よくあるシチュエーションで考えてみましょう。
・日常生活での外出(散歩や買い物など):SPF10~20、PA+~++
・軽いレジャーやスポーツ:SPF20~40、PA+++
・炎天下や激しいスポーツ、マリンスポーツ:SPF50以上、PA+++
また、敏感肌の方の場合には、肌に優しい製品かどうか確認して購入することをオススメします。前述した項目なので、おさらいとなります。
・ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)
・保湿成分含有
・石けん・お湯オフ対応
紫外線吸収剤が刺激となる可能性があり、乾燥や炎症に繋がることがあります。また、保湿成分が配合されている日焼け止めも多く登場しています。「ヒアルロン酸」「セラミド」といった成分が含まれているか確認しましょう。
さらに、クレンジングなどを使用しなくても簡単に落とせる日焼け止めもたくさんあります。敏感肌の方は「石けん・お湯でオフ」などと記載されている製品も参考にしてみてくださいね。
日焼け止めにはローションやジェル、クリーム、パウダー、乳液、スティック、スプレーとさまざまな形状があり、伸びやすさや維持のしやすさなどの違いがあります。ここでは、全般的に注意してほしい使用方法について紹介します。
・タイミング:外出15~30分前に塗り、2~3時間ごとに塗りなおす
・塗る量:ムラなく、1cm²あたり2㎎使用。(目安:【液体タイプ】1円玉2枚分程度、【乳液・クリームなど】パール2粒分程度)
特に大切なのは、「思っている量よりたっぷり塗る」ことです。また、塗り忘れしやすい箇所として生え際や眉間、耳、小鼻わきなどが挙げられます。全身に十分な量を2~3時間おきに塗るようにしてください。
日焼け止めはこまめに塗るのが鉄則だホ!
古い日焼け止めは、効果の低下や肌トラブルのリスクが潜んでいます。開封後は1年を目安に破棄して新しい日焼け止めを購入しましょう。大容量の製品もありますが、1年以内に使用できる量にしておいてください。
それでも残ってしまう場合は、保管の仕方に注意しましょう。品質を保つには、「常温で直射日光を避けて」保管してください。「見た目・匂い・感触」に異常があれば、迷わず新しいものに買い替えるようにしましょう。
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