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2024.12.25
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【 目次 】
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副業や個人事業などで一定金額以上の収入があれば、確定申告が必要です。しかし、場合によっては期限までに申告できないということもあるでしょう。
確定申告が間に合わず、期限が過ぎたときにはどうすればよいのでしょうか?
この記事では、確定申告の期限を過ぎてしまったときの対処方法を紹介します。
確定申告の期限は基本的に2月の中旬から3月の中旬です。
具体的な日程は毎年変わるので、確定申告期間は国税庁や税務署のホームページでこまめにチェックしておきましょう。
確定申告の書類の提出方法には、税務署へ持参、郵送、オンライン申請の3つがあります。
それぞれの提出方法で、詳細な申告期限が異なるの注意しましょう。
・税務署へ持参 : 時間外収集箱の回収時間まで
・税務署へ郵送 : 最終日の消印分まで
・オンライン提出 : 最終日の24時まで
ちなみに、還付申告であれば、課税された年の翌年から5年間まで、通年で申告が可能です。
還付申告とは納めすぎた所得税を還付してもらうこと!
申告期限を過ぎても申告しない場合は「無申告」、期限後に申告した場合は「期限後申告」となり、どちらの場合もペナルティが課されます。
どんな内容のペナルティなのか、1つずつ説明します。
申告期限後に確定申告した場合や、申告せず税務署から決定処分が下された場合は、無申告課税が加算されます。
本来支払う税金とは別で無申告課税分が加算されるため、税金をその分多く支払わないといけません。
加算額は本来納める税額に応じて変化し、税務署の通知前に申告・通知後に申告・そして調査後に申告という順番で加算額は高くなります。
また、税金の隠蔽や仮装などの悪質な場合は、無申告重課税が課され、刑事罰となるときもあるので注意しましょう。
脱税NG!!
期限後に申告した場合は、確定申告の期限終了日から申告書提出までの期間で計算する延滞税が発生します。
延滞税の計算は、以下のように行います。
・納税期限の翌日から2ヶ月以内 : 年7.3%と延滞税特例基準割合+1%のどちらか低い方
・納税期限の翌日から2ヶ月超えた部分 : 年14.6%と延滞税特例基準割合+7.3%のどちらか低い方
計算で算出した金額では、1円未満は切り捨てます。
不動産所得、事業所得、山林所得に対する申請のみに利用できる青色申告の場合、青色申告特別控除を適用できます。控除額は条件によって、65万円・55万円・10万円と変わります。
しかし、65万円または55万円控除を適用してもらう場合は、確定申告の期限内に申告する必要があるため、期限を過ぎてから青色申告をした場合は、適用される控除は10万円となってしまいます。
確定申告が遅れて期限内に申告できない場合は、無申告課税や延滞税が加算されると解説しました。
しかし、実は一定の条件に当てはまる場合には、救済措置を受けることができます。
救済措置を受けるための条件を紹介します。
確定申告の期限が過ぎてしまった場合、まずは遅れに気付いた時点で申告しましょう。申告が遅れている時点で、無申告課税や延滞税の発生は免れませんが、特に延滞税は申告が遅くなるほど加算額が高くなる仕組みです。
早めに申告したほうが、より少ない延滞税で済むでしょう。
また、次の見出しで紹介するように、一定の条件に当てはまれば納付の猶予制度も利用できます。自分が制度の利用対象者かどうかもあわせて確認してみてください。
遅れは早めに連絡!
以下の条件のいずれかに当てはまる場合、申告が遅れてしまっていても猶予制度が利用できます。
・財産が災害や盗難で被害を受けた
・本人や家族が怪我や病気になった
・事業を廃業または休業した
・事業で著しく損失を受けた
・上記条件に類似する事実があった
・本来の納期限から1年以上経過した後に、修正申告で納税すべき税額が決定した
また、猶予制度を利用する場合、あわせて以下の条件のすべてを満たす必要があります。
・1度に全額納税できないと認められた
・猶予申告書を確定申告期限内に提出している
・担保を提供している
このとき、担保については納税額が100万円以下、猶予期限が3ヶ月以内、担保を提供できない事情がある、といういずれかに該当した場合は、担保が不要となります。
上記の条件に当てはまる場合、1年以内の範囲で税金を分納できます。
1年を超えても全額完納できない場合や、やむを得ない事情があると認められれば、最長2年まで分納期間を伸ばすことができます。
確定申告が間に合わないときは、納税期限を伸ばせる延納制度も利用できます。
ただし、延納制度を利用するためには、確定申告期限までに納税額の半分を納めている必要があります。
そのうえで、半分の税金を納めた年の5月31日まで納税期限を伸ばすことが可能となります。なお、延納制度期間中は、利子税が発生するので注意しましょう。
本来、申告内容に誤りがあってはいけませんが、万が一申告内容を間違えてしまった場合は、以下の方法で対処しましょう。
確定申告の内容を間違えたことに気がついたときは、確定申告の期限内であれば訂正申告を行うことができます。訂正申告も、確定申告と同じ流れで申告が可能です。
正しい内容の確定申告書を税務署に提出し、追加で必要な書類がある場合は、そちらも一緒に提出しておきましょう。なお、最初に提出した添付書類については再度提出する必要はありません。
また、確定申告書は訂正した部分以外も記載して提出するので、漏れがないように最終確認を徹底しましょう。
申告期限後に確定申告の内容を間違えたことに気づいたときは、修正申告または訂正の請求をおこないます。
『修正申告』と『訂正の請求』の違いは以下の通りです。
・修正申告 : 納付額が少ない、または還付額が多い
・訂正の請求 : 納付額が多い、または還付額が少ない
また、各手続きごとに提出する書類も異なります。
・修正申告 : 確定申告書 第一表・第二表
・訂正の請求 : 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書
『修正申告』では、分離課税の所得がある場合は第三表も提出しましょう。
また、『訂正の請求』では、訂正理由がわかる書類も必要です。
修正申告も訂正の請求も、税務署への持ち込みや郵送での送付、またはe-taxを使ったオンラインでの提出を行うことができるので、自分が使いやすい方法で早急に手続きをおこないましょう。
確定申告の期限が過ぎた場合、上記の対策・救済措置を活用して事後申告をおこないましょう。確定申告期限後の申告方法は、期限内に行う方法と変わりありません。
税務署に確定申告書を持っていき申告する方法です。
税務署は土日祝日以外の8:30~17:00まで開庁しています。
わからないことがあれば窓口で聞けるので、初めて確定申告を行う方にはおすすめの方法ですが、混雑することが予想されるので、時間には余裕を持って訪れましょう。
郵送で確定申告書と付随する書類を提出する方法です。
信書となるので、第一種郵便物または信書郵便で送付する必要があるので、日本郵便のサービスを利用して発送しましょう。
郵送の場合は、提出期限日までの消印が有効となるため、申告期限の最終日に発送しても受理される場合もありますが、念のため余裕を持って発送することをおすすめします。
また、確定申告書の控えが必要な場合は、切手を貼った返信用封筒を同封して発送すると控えを送ってもらえます。
税務署が閉庁している場合でも、建物の外に設置してある時間外収受箱であれば、24時間いつでも確定申告書を提出できます。
収受箱に投函された申告書類は、税務署職員が回収したら提出完了とみなされます。しかし、申告期限の最終日に投函した場合、職員が深夜0時に回収する場合もあるので、こちらも余裕を持った提出がおすすめです。
e-taxとは、オンラインで確定申告ができる方法です。確定申告期間ならば24時間いつでも利用できます。
e-Taxを利用するには、パソコンまたはスマートフォン、マイナンバーカードとそのパスワードが必要です。e-Taxのサイトの手引に従うだけで申告書が完成するので、完成したフォームを送信すれば確定申告完了です。
ネットで申告できるのは便利だホ!
確定申告はその年度の所得をもとに申告書を作成するようになっており、数字が絡むので難しい部分もあるでしょう。いくつか申告時の注意点やポイントがあるので紹介します。
基本的に確定申告は、所得を得ている人物が行いますが、初めて行う方や時間がなくて忙しい方は自分で作成するのが難しいという場合もあるでしょう。
その場合は、専門家に作成や提出を依頼できます。
依頼できるのは税理士ですが、税理士登録している弁護士や会計士にも依頼可能です。
もちろん依頼費用はかかりますが、代行してほしいときはお近くの事務所へ相談するとよいでしょう。
専門家に頼るのも大事だホ!
確定申告では必要経費を計上できるので、経費があれば所得を少なく見積もることができるので、課税額を減らせます。
ただし、経費として認められるものは決まっており、仕事のためにお金を使ったとしても、それが必ずしも経費として落とせるとは限りません。
一般的には、事業所の光熱費や外注費、仕事を行う上で使用したパソコンやソフトウェア、仕事のために勉強で使った教材などが経費になります。場合にとっては家賃も経費として計上可能です。
経費として計上できるものについては、税務署や税理士に相談してみるとよいでしょう。
確定申告で税額が確定したら税金を収めましょう。納税方法は、振込用紙、口座引落、スマホアプリでの納付、カード払い、現金払いなどがあります。
納税を忘れずに!
確定申告は申告期限が決まっていますが、期限が過ぎても申告可能です。ただし、期限が過ぎてからの申告は無申告課税や延滞税が発生するので注意しましょう。
期限後に申告内容が間違ったと気がついたときでも、修正して申告できます。確定申告の方法は、期限内でも期限後でも同じです。期限が過ぎていると気がついたら、課税額を少なくするためにも早めに申告しましょう。
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